オストメイトを知っていますか?

ストーマの実情とサポート時に必要な心がけなどを発信しています

ストーマの解説と介護時の扱い方

ストーマとは、人工肛門に代表されるように、尿や大便の排泄口を人工的に作った医療用具のことです。
尿の排出口を尿路ストーマと言い、大便の排出口を消化管ストーマと呼びます。
こうした人工膀胱人工肛門を装着している人のことを、オストメイトと呼んでおり、オストメイト用の設備が整った公衆トイレにはオストメイトマークが明記されています。

ガンの摘出手術などで肛門や尿路が正常に機能しなくなった患者が、スムーズに排泄できるようにと開発されたのがストーマです。
このストーマの装着者は、肛門括約筋などが機能を失っているため、自力では排泄できません。
本人の意志と関係なくストーマから排出された糞尿は、体外に設置されたストーマ装具という小袋に溜められていきます。

このストーマの装着者は高齢者に多く、排泄時に介護職員が対応することもあります。
介護職員が対応する際、ストーマ装具に溜まった糞尿の色や硬軟の様子を観察して、異常があれば医師や看護師などの医療従事者に報告しなければなりません。
また、ストーマは、尿路や腸の一部が体外に露出しているのと同じような状態なので、傷付きやすく衛生管理上細心の注意が必要です。
ただし、露出部に痛感神経は無いため、痛みを感じることはないでしょう。
そのため、腫れや皮膚の色の変化などに患者本人が気付いていない場合もあるため、介護職員は注意を払うことが大事です。
利用者が運動をした後や就寝する前には、ストーマ装具の状態をチェックして、排泄物が漏れたりストーマ周辺の皮膚にかぶれや腫れがないかを確認する必要があります。

そんな中、ストーマ装着者に対して介護職員が特に気を付けるべきなのが、利用者のメンタルケアです。
ストーマ装着者は、排便の袋を身に着けていることから、他人にストーマの存在を知られたくない場合があります。
したがって、ストーマ装着者に対する声掛けなどの場面では、周囲の状況を確認して、本人のプライバシーを守る配慮が大切です。
【推奨参考リンク:http://stomacare.net